無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

カラオケ店を出る。
下に降りるエスカレーターに乗り込む。

二人きり。

無言。
耐えられない。

そして抑えきれない。


どうしようもなくなって、
私は彼にキスする。

今日一度もしていない、

してくれないキスを。


…
…
…違う。


口を離す。


途中のフロアでドアが開く。
誰も乗ってこない。

また二人きり。


もう一度、私は彼にキスする。


…
…
…違う。やっぱり違う。



そして思った。

私…、なんて、
なんて哀しいキスしちゃったんだろう？

あまりにも、

あまりにも、

私からの

私だけの

独りよがりのキス。

全然、気持ち良くない。


どうしてこんなキスしちゃったんだろう？


こんな最後のキス、

イヤだよ。