
薔薇はあいを囁く
第5章 男ともだち
「チッ。違うなら、なんなんだよ?」
「へっ?」
「俺の事、見てる理由だよ。」
「えっと、その…。」
どどどうしよう。
なんて言えば…。
戸惑っていると、須藤くんはため息を吐いた。
「まあ、いいわ。どうせ、このあとも自習だし、一緒にサボらねぇ?」
「えっと…。」
困った。
サボるとか…遅くなるのかな?
学校から真っ直ぐ帰らないと、立人さんに怒られるよね。
…でも、少しくらいなら…。
「お前、真面目だし、単位足りてるだろ?」
「…多分。」
「じゃあ、決まり。」
そう言うなり、須藤くんは、あたしの手を引っ張って、一旦教室に鞄を取りに戻った。
