
薔薇はあいを囁く
第5章 男ともだち
教室に戻ると、一斉に皆の注目を浴びた。
木下くんが面白そうな表情を浮かべて、須藤くんに話しかける。
「おや?仲良くお手手繋いで、どこ行くんですか?」
「ちょっとフケるだけだ。春樹、悪い。担任には、なんか適当に理由つけといて?」
「マジか?(笑)まさか、お前ら付き合ってんの?」
「…いや、まだ友達?」
須藤くんがあたしに目線を投げ掛けてきた。
「は、はい。須藤くんとは、クラスメイトでお友達です!」
「ぷっ(笑)まだね。わかった。潤、柏木さん、"まだお友達"なら、絶対に食うなよな?」
「お前じゃあ、あるまいし。」
「ありゃりゃ(笑)言っちゃってくれるね。ま、ごゆっくりw」
「ほら、さっさと行くぞ。柏木。」
「は、はい。」
須藤くんの繋いだ手が、熱かった。
