
薔薇はあいを囁く
第5章 男ともだち
須藤くんの運転は、ものすごく安全運転だった。
荒々しそうな性格とは、裏腹に意外な一面を見た気がした。
着いたのは、メチャクチャ大きい新築のお家だった。
「これ俺ん家。一旦着替えてから、どっか行かないと、捕まるからな。」
「…え、あの。あたし。」
「安心しろ。昼間は親いねぇから、上がれよ。」
「…うん。」
戸惑いながらも、あたしは須藤くんちに、足を踏み入れた。
「お邪魔します。」
"友達"の家に上がったのは、初めてだった。
「俺の部屋来いよ?着替え貸してやるから。」
「え?悪いよ…。」
「あ?俺の言うこと聞いといた方が良いと思うけど?補導されたくなけりゃな?」
「あ、そっか。ありがとう。」
