
薔薇はあいを囁く
第2章 薔薇の香りの麗人
「お帰りのキスは?」
あたしは、椅子から転げ落ちそうになる。
キスなんて、自分からしたことない。
てか、新婚さんかッと思わず突っ込みたくなったわ。
「立人さん、おかえりなさい。今、受験勉強してるので、出来れば、そっとしておいて頂きたいんですが…」
出来るだけ丁寧に分かりやすく拒否ったのに、彼はお構いなしにあたしに近づいてきた。
ドクン。
ふわりと香る薔薇の香り。
ネクタイを緩めた立人さんと目があった。
「ちゅ!?」
キャーーーーーーッ!?
今、キスされたぁあああ!!!
「クス(笑)ただいま、あい。」
口を抑えて真っ赤にしてると、耳元で囁かれた。
「受験勉強なんて、しなくていいよ、あいは、オレのお嫁さんになるんだから。」
「でででも、高校くらいは、出ておきたいし、あ、学費はバイトしますし、立人さん、に、ごごめいわくははは…」
一人天パっていると、立人さんは、お腹を抱えて笑い出した。
「ぶっくくく(笑)大学までいかせてあげるよ?」
「へ?」
「バイトなんてしたら、許さない。」
「えっ?ちょっ…きゃあっ!?」
あたしは、立人さんに抱き上げられてしまった。
