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お姉ちゃん、一緒にアソボ?

第2章 play 1

────昔…

ホントに昔…─

私が9歳頃の時。

親せきの、当時三歳だった男の子に
告白された事がある。

『お姉ちゃん…しゅきです!
僕とけっこんしてくだしゃいっ!』

真っ赤な顔でそう言う男の子が
ホントに可愛くて…

でも、まだ三歳。

何回かしか会ってないのに、いきなり
"結婚"という単語を出すのがいい証拠

それに、三歳の男の子を
恋愛の対象としては見れないし…

何より、私もその時はまだ子供で…

"恋"だとか、そんなのまだまだ
意識したことが無かった。

だからと言って、三歳の子の話を
まともに受けて返事をするのも違う気がする…

私は数秒の間の後、こう言った。

『えっと…悠真(ユウマ)君?
ありがとね!告白なんてされたの…

始めてだから嬉しいよ!

でも…結婚はまだ無理かな…

……だから、もし。"もしも"だよ?
悠真君がもー少し大きくなっても
今と同じ気持ちだったら…

その時は……んー、そーだなぁ…

まずは、"付き合う"所からっ、
始めよっか!』

私は、少し屈みながら悠真君の
頭を笑顔で撫でた。

『……ホン…ト?』

私の言った事を確認するように
悠真君はゆっくりと私を見上げる。

『うんっ!』

しっかりと悠真君の目を見て、
大きく頷く。

『ヘヘッ……やった…

…お姉ちゃん、

………約束だよ?』

─ゾク

『う、うん…』

何故か悠真君がそう言った時、
私の体に悪寒が走った。

何となく……
ホントに何となく、

"やってしまった"

と思った…──

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