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お姉ちゃん、一緒にアソボ?

第2章 play 1

─そして、現在。

『そーそー!でさぁ──』

『─おおっ!だから言ったろ?』

『キャハハハっ』

ザワザワとうるさい休み時間の教室。

「はぁ……」

そんな教室に、似つかわしくない溜め息を吐く1人の少女。

窓側の列の、後ろから2番目。

野口(ノグチ)真優(マユ)。

頬杖を付いて、真優はツマラナそうに
窓の外を見つめる。

窓の外に広がる、真っ青な空。

そこに浮かび上がる、
一筋の飛行機雲。

「…世知辛い世の中だぜ……」

そんな、初夏の青空を見ながら
真優はポツリと呟いた。

その瞬間、

「ていっ!」

「イテッ」

真優の頭に、誰かの渾身のチョップが下される。

こんな事をするの……
私は1人くらいしか知らない…

ズキズキ痛む頭を両手で押さえて、
ゆっくりとそちらへ振り向く。

「…何すんのよ…凛(リン)」

キッと、鋭く睨めつけて真優は
その人物の名を呼んだ。

「なぁ~にが、"世知辛い世の中だぜ…"よ」

そんな真優の視線など、気にも止めず
凛はヤレヤレと両手を広げる。

「むぅ…だって、いっつもいーっつも
凜ばっか呼び出しされて…

…私だって告白されたいぃ~っ」

頬を膨らませ、涙目で
駄々をこねる子供のように真優はジタバタ足を動かした。

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