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人魚

第6章 夏生

小麦色の肌は
健康的だと…みんなが言う


今更
ガングロなんて
流行らない…夏生は歌音の透けるような肌が羨ましかった。


蒼はいつも
夏生に小麦色のオットセイと言う
そんな蒼は、いつみても
何を考えてるかわからない男だと
夏生は思っていた。


図書館にオレンジ色の夕日が
机に反射して
夏生を照らした


夏生は、童話集を読んでいた
時間なんかいくらあっても
足りないくらい
机の上には童話の本が積み重ねてあった。


夏生の肩に蝶が舞い降りてきた
それに気がついた夏生は
腕時計を見ながら
ため息をつき…肩に留まった蝶に
目をやった。

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