
巡 愛
第3章 もう一度……
その虚しさはベッドに入っても消えてはくれず、私は不謹慎にも妻の隣に横になりながらカンナさんのことを考えてしまった。
彼女となら、こんな気持ちにはならなくて済むのだろうかと、あらぬ想像をしたりもして……
はたと我に返ると、そんな絵空事を頭に描いた自分が滑稽にも思えてきて、ぐちゃぐちゃになった胸のうちを持て余した私は、妻を惰性で抱いてしまった。
そんなことをしたところで、なんの気休めにもなりはしないと知っていながら。
しかし、そんな私の想いとは関係なく、妻はいつもの妻らしく私を受け入れてくれた。
