テキストサイズ

赤い恋 ~sho sakurai~

第34章 いない人





潤「とりあえず…、結衣がいないってことでいいんだよね?」

松潤の言葉にみんなが頷く。


あれから、状況をうまく把握するために今起こってることを整理した。

にのも起きてきて4人、食卓に座ってる。


和「多分…、自分の意思でいなくなったんだろうね…。ご飯、こんなに沢山作って…。何日分だよ、これ……」


にのが大量の料理を見てそう言った。

よく見ると、俺らが好きなもの全部あった。


智「誰かに言われて出てった、とかじゃなくて?」


大野さんが小さな声でそう言った。


潤「…さぁ、その可能性もなくはないけど、だとしたら誰に?」


智「…………姫川……………………とか?」


潤「……………………リーダー…、名前覚えてないんでしょ?」

智「…………ばれた?」

…………姫川さんが…?

翔「いや…、それはないんじゃない?もし、姫川さんが言ったんなら家に来たときに結衣にもう言ってるんじゃない?」


そもそも、それに近いことは言ってたわけだけど、ならその場で結衣は出てくだろう。


智「じゃあ…、やっぱり結衣の意思で…?」

翔「多分ね、」


俺らに迷惑かけたくなかったんだろうな。

迷惑なんて思ってねぇのに…。


和「そういえばさ、結衣言ってたんだよ」
翔「え…?」

にのは俯き加減に話し出した。


和「俺らを守る方法…、思いついたって」

守る…?

和「多分…、こうやって出てくことが俺ら守る方法だったんじゃない?」


…………なんだよ…。

それ…、勝手に決めつけやがって!

翔「…何…?守るとか、何なわけ?」

俺は別に…、結衣に守ってほしかったわけじゃない。

むしろ、俺が守るべきなのが結衣だろ?

無関係な結衣が巻き込まれてんだぞ。

いや…、無関係じゃない…。

俺らはにはちゃんと関係がある。

翔「…どこ……行ったんだよ…」

結衣は何もかも自分の責任にしすぎたんだ。

そんなに抱え込むことなんてない。

抱え込める量じゃないだろ…。


潤「とりあえずさ、今はどうしてとか考えるより、早く結衣を見つけよう。このまんまにしていいわけないから。理由とかそんなもんは本人にさいくらでも聞けばいいんだから。だから、早く見つけよう」


……そうだな…、早く、


見つけて、そんでとことん叱ってやる。

勝手に、離れんじゃねぇよ…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ