赤い恋 ~sho sakurai~
第34章 いない人
*翔ちゃんさいど*
ピピピピっピピピピっ-
目覚ましの音で目が覚める。
翔「…っょっと、」
ベッドから起き上がり、軽く伸びをした。
部屋から出て洗面所に行くと、松潤と大野さんに出くわした。
翔「あ、おはよ」
潤「おはよ」
智「おはよー…」
それぞれ挨拶を交わして、歯ブラシを手にとった。
そういえば…、
俺はもう結衣に会ってもいいのか?
もし、まだ俺に会いたくないとすれば…、どうすればいいんだ?
智「翔ちゃん…、」
智くんに名前を呼ばれてはっとした。
翔「あぁ…、何?」
智「いや、結衣のこと、気にしてる?」
あ、そっか。
昨日、みんなが帰ってから俺ら全員で話し合ったんだっけ?
翔「まぁ、記事はどうってことないんだけど、明らかに結衣への嫌がらせだよなぁ」
潤「それが目的で向こうもやったことだろうしね」
翔「…うん、ただ、なんでそこまで結衣に嫌がらせするのか分からない……」
と、2人ともピタッと止まって顔を見合わせた。
翔「え、何?」
智「いや、翔ちゃんって罪な男だね」
潤「うんうん。ほんと鈍感」
はぁ?
なんで今、俺、鈍感とか言われてんの?
翔「なんだよ、なんで」
智「それは、ねぇ?」
潤「うん、ねぇ?」
なんだ、こいつら。
翔「もういいよ、」
智「あ、すねた?」
潤「すねた?」
…………、うぜー!!
俺はその言葉を無視してリビングに入った。
恐る恐るキッチンを見る。
翔「…………あれ?」
おかしいな、いつもならキッチンで料理作ったりしてるのに…。
辺りを探してみたけど結衣はいない。
翔「……まだ…、寝てるとか?」
でも結衣はいつも誰より早く起きてた。
智「どしたの?翔ちゃん」
大野さんがリビングに来て俺の肩を叩いた。
翔「……結衣って昨日、酒呑んだ?」
智「いや、多分ご飯も食べてないんじゃない…?……あれ?」
大野さんも結衣がいないことに気付いたらしい。
翔「なんで…?」
潤「どしたの?」
松潤も俺らの元へ来て状況を尋ねた。
智「……結衣が…、」
潤「え?……あれ?」
なにが…、起きてるんだ?