赤い恋 ~sho sakurai~
第13章 意地悪
*翔ちゃんさいど*
結衣と姫川さんが出て行って結構たつ。
結衣はもう戻って来てもいいはずなのになぁ…。
翔「……って何拗ねてんだよ、俺…」
……結衣も一緒に呑めると思って家で呑むこと提案したのに…。
翔「……む~…」
『がちゃ』
リビングの扉が開いた。
翔「結衣?」
つい何も考えずに名前を呼んでしまった。
……でも、考えてた人ではなくて…。
翔「……あ…姫川…さん…。すいません…」
そこには結衣じゃなくて姫川さんが立っていた。
でも…
翔「……あの…なんか…ありました…?」
…なんか…怒ってる…?
翔「あ…結衣…は…?」
結衣の姿はどこにも居なくて。
どこ行ったんだ…?
沙「…さぁ…?(笑)あ…二宮くんとラブラブ中かも…?(笑)」
…………は…?
翔「え、どうゆうこと…?」
確かににのもさっき出てったけど…。
沙「…結衣ちゃんってさぁ…二宮くんのこと好きなんじゃない…?」
…………結衣が…にのを…?
翔「…ないでしょ(笑)」
沙「…そうかなぁ…?」
…………。
翔「っそれよりさ、呑もっ!ほら!」
俺は向かいの椅子を引いて姫川さんを促した。
沙「…いいよ、あたしもう帰るね…」
姫川さんは自分のバッグを掴んで帰ろうとリビングの扉へと向かった。
翔「っでも、結衣がせっかく作ってくれたのに…」
沙「…………」
と、姫川さんは結衣の作った飯を見つめてゆっくり近づいた。
…帰るのをやめたんだと思った俺には余計に驚いた。
沙「…………こんなの、…いらない」
冷たく言い放った姫川さんは結衣が作った飯の皿を手の甲で押した。
翔「…………は…………?」
…………は…?何…?
翔「…えっ……何…?…………何…やってんの…………?」
状況が理解出来ない俺はただ呆然と目の前の結衣の作った飯を見つめた。
沙「…………ふっ(笑)重いよねぇ、ただ呑むだけだったのにさぁ、ご飯とか作っちゃってさぁ…櫻井くんに媚びてるの…わかりやすすぎ…翔「謝れ!!」」