赤い恋 ~sho sakurai~
第14章 安心
*翔ちゃんさいど*
翔「ゆっ結衣っ!」
俺は勢いよく立ち上がって結衣を見つめる。
結衣は涙を拭ってこっちを見た。
翔「……あの…さ……」
うわ…………なんだこれ…。
言うっつっても何言っていいのか全然わかんねぇよ……。
結衣は俺の言葉を待って小さく首を傾げてる。
あ……可愛いなぁ…って。
今、こんなときに思うことじゃないかもしれないけど、
涙で潤んだ瞳。少し鼻の頭が赤くなってて白い結衣の肌の上ではよく目立つ。
なんか……なんか言うより…………、
『グッ!』
俺は結衣の腕を引いて優しく抱き寄せた。
結「っ!」
不意をつかれた結衣は小さく息を飲んだ。
ほっせぇ…………。
ちょっと力を込めればすぐ折れちゃいそうな体。
セミロングでさらさらした細い髪。
全部全部、いとおしくて…。
結「っ翔ちゃん…………?」
戸惑いながら俺の腕の中から上目遣いにこちらを見上げる。
翔「……俺さ…結衣と一緒に暮らせてよかった…。結衣に出逢えてよかった。…だからさ…ずっとここにいてね…?……って前にも言ったか(笑)」
結衣は顔を赤くさせながらコクコクと大きく頷いてくれた。
翔「ん。よかった(笑)」
まだ…名残惜しかったけど、なんかずっと触ってちゃいけない気がして俺はそっと結衣を放した。
結「私も…ね、みんなに会えてよかったよ…………私の方こそ……ここにいてもいいかな…?」
ちらっと俺を見て問いかけてくる。
翔「……ってゆうかいなきゃ駄目」
結衣は満面の笑みでまた、大きく頷いた。