赤い恋 ~sho sakurai~
第21章 二次会
翔「すいません…結衣がご迷惑をおかけしました……」
俺は佐織さんから連絡を受けて、駅まで車を飛ばした。
…普通だったらさ?
俺ぜってぇめんどくさがるよ?
……けど、結衣ならなんか、直ぐ様飛んで行きたくなったんだ。
帽子とメガネをして佐織さんから結衣を受け取った。
俺の背中で結衣はむにゃむにゃ言ってる。
佐「いやいや!私が無理矢理呑ましたんです!……それに……」
それに……?
佐「結衣、ずっと『ご飯作らなきゃ』って言ってました。ほんとは二次会も行くつもりなかったんです…。けど私が無理矢理連れて来て、無理矢理呑ましたんですよ…。……ほんと、皆さんのこと大好きみたいですね……」
…………まじ?
結衣、そんな俺らのこと…?
翔「……お礼…言っときます…。起きたら…」
佐織さんはコクンと頷いて
佐「じゃあ、お願いします」
と言って頭を下げた。
翔「はい。あ、ご結婚おめでとうございます」
俺は結衣を背中にのせたまま、改めて挨拶をした。
佐「ありがとうございます(笑)結衣のことも…幸せにしてあげてくださいよ(笑)」
……
翔「えっ?///」
ちょっ、どういう意味だ…?
佐「じゃあ!」
佐織さんはそう言って立ち去ろうとした。
翔「や、え?!」
俺は頭がこんがらがって佐織さんを呼び止めようとした。
と、佐織さんは足を止めて「あ、」と言って振り向いた。
佐「結衣、そうなったらなかなか起きないですから、朝ごはんは期待しないほうがいいですよ」
翔「えっあ、はい…」
佐織さんはニコッと笑って、
佐「それと…。」
翔「?」
佐織さんは俺に近づいて耳元で囁いた。
翔「…………え、まじ…っすか…?///」
佐織さんはクスクス笑いながら今度こそ行ってしまった。
翔「…まじかよー…。やべぇ(笑)」
『結衣、寝言で言ってましたよ。翔ちゃんって(笑)』
にやけるわ(笑)