テキストサイズ

赤い恋 ~sho sakurai~

第29章 悩み事





結「んー、いい天気♪」

朝、みんな仕事に出てから私はベランダで洗濯物を干す。


『告白』

あの日、智くんと喋ってて一つ、分かったこと。


私はもっと積極的にいかなきゃいけない。

智くんがずっと言ってる、『大丈夫』の意味。


あれはまだよく分からないけど、翔ちゃんに好きな人がいることは確か。

なら、もっと積極的に行かなきゃ…。


結「智くんはどうしてあんなに自信があるんだろう…」


智くんのことだから適当に言ってるのかもって思ったけど、よく考えてみれば、今までもそうだったように私の恋愛相談にはほんとに耳を傾けてくれる。


結「んー…、どうなんだろう…」


こんなに悩むなんて思ってなかった。

こんなに翔ちゃんのことで頭がいっぱいになるとは思ってなかった。


こんなに、こんなに自分が弱虫だとは知らなかった。


現に、翔ちゃんに告白できないでいる。


結「はぁー…、言うだけってことは分かってるんだけどねぇ……」


でも、フラれるって分かってて告白するのってどうなの?


結「……翔ちゃんの好きな人って私だったりして(笑)」


ないない(笑)


こういう冗談は頭に浮かぶくせに、ろくなことは思い付かない、贅沢な脳みそ。


結「……馬鹿じゃん…?私……」


告白……

しちゃおっかな…。


当たって砕けて、はぁー、すっきり。

みたいな。


結「はっ!でもちょっとまって!!」


……告白して……

フラれた後……気まずくなったりしたら?

結「やっ、やだやだ!!」


怖くてそんなの…!


結「……どっちのほうがいいんだろう…」

一か八か、気持ちを伝える?

でも、もし気まずくなったら…?


結「……私…格違いな悩み事してる…」


こんな……別世界の人好きになるんじゃなかった…。


結「あーーー…、辛いよーぅ……」


なんか、私ってこんな気のちっさい人間だったけ…?





ストーリーメニュー

TOPTOPへ