赤い恋 ~sho sakurai~
第30章 報道
夜、7時過ぎにご飯が出来て暫くみんなを待つことにする。
結「…んー、今日もやっぱり遅いかな…」
にのは7時30頃には帰るって言ってた。
あとのみんなはいつ頃になるかは分からないけど、遅くなると思うって。
私はテレビを観たりしながら帰りを待つ。
7時30を少し過ぎた頃、
和「結衣、!」
結「わぁ!にの!どうしたの?そんなに慌てて…」
にのは勢いよくリビングの扉を開けて、私の元へ駆け込んだ。
和「…雑誌…。見た?」
にのはそう聞いて、私に雑誌を手渡した。
もうすでにあるページが開かれている。
結「雑誌…?」
何がなんだかわらなくてにのに手渡された雑誌を見た。
結「……………………え…?」
なに……これ…………
【嵐 櫻井翔、一般人と熱愛か?!】
【お相手は本人とも昔、馴染みのあった業界関係の女性とも!!】
さまざまな見出しがある写真とともに無機質に綴られている。
その写真は、2ページ分に大きく印刷された翔ちゃんと目の部分に黒い線の引かれた女の人。
和「写真はどっかからもってきた著作権のないモデル写真だと思う。書いてることは…………多分、結衣のこと…………」
え…?
結「……っちょ!ちょっと待って!私……翔ちゃんと熱愛なんて…!」
そう言いかけてにのは目をつぶって大きく頷いた。
和「分かってる。この記事の内容から…多分結衣が翔ちゃんが好きってこと知ってる人がメディアにネタだししたんだよ…。もちろん、俺らがそんなんする必要なんてない。むしろ応援してんだから。…結衣の友達でもないと思う。多分……翔ちゃんのこと好きな奴がやったんだと思う……」
……………………。
私が翔ちゃんが好きって知ってて、翔ちゃんのことが好きな人…。
結「……沙良……さん…?」
私はただ呆然とその名を口にした。
和「……やっぱり……姫川沙良……翔ちゃんのこと好きだったんだね…」
…………うそ…。
結「…………沙良さん…………、なんで…?」
和「あの人…………こないだ家出てくときさ…、『結衣がずるい』って言ってたよな…?」
『結衣ちゃんはずるい』
沙良さんのあの言葉を思い出す。
結「…………私……」