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ふしだらと言わないで

第6章 慰み者の娘 3

 愛人という仕事も理解している
 二番目の奥さんだ

 最高の眺めを前に
 後ろから抱きしめられる



「あ、あの…
奥様はどこにおられますか?
挨拶したいのですが…」
「いないよ」
「え?」
「…しなくていい」



 きょとんとする



「そういうわけには
平気ですよ、ご心配には及びません
だから会わせてください」



 子供のような顔をするなぁ
 拗ねた様子の彼の手に重ねる



「…今は別居してる」
「ふふ…カイトさまは甲斐性なしであらせられますね」
「そうかもしれない」
「上手くいってないのですか?」



 図星のようだった

 元々この最上階で夫婦一緒に暮らしていたのだが、多忙な仕事を前にすれ違いが増えていき、仕事優先した結果別々に住んでいるらしい

 奥様もまた
 働く人だと聞いた

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