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ふしだらと言わないで

第6章 慰み者の娘 3

 小気味いい音
 叩かれた頬は痛く、熱い

 突然で驚いたが
 私はすぐに笑顔に変わる

 桜さんはスーツ姿であり
 気が強い美女のようだ
 激昂して肩で息をしている



「この泥棒猫!!」



 なんだ
 大事なら大事と
 素直にベッドで語り合えばいいのに

 セックスが、嫌いなのかな?



「桜、よさないか
いつも冷静沈着なキミがなんだ」



 桜はぎらっと海斗を睨む

 プライドに障ったのだ
 自分の中にある女が
 こんな学生みたいな子供に
 敗れたなど信じたくなかった

 ましてや、妻を差し置いて
 他の女性を擁護する
 そんな夫の姿を見たら…

 浮気の公言もショックだった



「な、桜…涙を…」
「16歳!?
海斗、あなたもあなたよ!
この大事な時期に
なに小娘にうつつ抜かしてるの!!
もう勝手にして!!」



 本当は14である
 それは秘密にしている
 あと数ヶ月もすれば15だが

 九条院桜は出て行った



 叩かれた頬が熱い…
 私は冷静に奥様の性格を分析して身の振り方を考える

 初日で会えたのはラッキーだ

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