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ふしだらと言わないで

第6章 慰み者の娘 3

 たくさん中出しされた
 満足だった
 海斗に寄り添う
 裸で、身も心も開いた状態
 セックスは落ち着いてからこそ本当のセックスである



「やっぱりよくないです
奥様を差し置いて
私がカイトさまと同居など…」
「気にしなくていい
桜とは…離婚寸前だと思う
遅いか早いか違うだけ…」
「―いけません」



 身を起こして覗き込む

 まるで今この場で諦めるように言う姿の彼を叱咤する

 浮気相手とは思えない物言いに
 海斗は目を丸くする



「本当に愛すべき人が誰か…
そんな簡単に手放していいのですか?
分かり合うことをやめては
奥様は戻ってきません」



 甘い香りが漂い
 そばにいるだけで心地よくて
 愛されたいと願わず
 愛されると恥ずかしそうに喜ぶ

 男と長続きするのは
 そういった女だ
 妻や恋人や彼女じゃない



 一目でわかった
 九条院海斗と九条院桜
 きっと別れる
 仮に好きでも別れる

 桜のように我が強く
 自分の殻が強い女性は
 男にとって好ましくない

 面倒で、苦痛なのだ
 愛してくれない男を女が嫌うように癒されない女を男は不満に思う

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