ふしだらと言わないで
第6章 慰み者の娘 3
海斗は黙って聞いていた
それは初めて聞く、双葉の内なる声と叫びだった
その決断を下すまでに様々な感情と苦悩が入り混じる
「…去れ」
「え?」
「僕はキミが許せない
けれどこれだけは言っておく
…双葉、キミを
何よりも大事に想っていた
それだけは本当に本当だ
だから何もする気はない
僕の前から失せろ」
なぜ、と思う
双葉は顔を見上げる
だってそれは
無罪放免だ
「出ていけ
忘れろ、僕も忘れる
消えてくれ、頼むから」
くしゃくしゃに
堪えるように顔を歪ませる
私は慌ただしく荷物をまとめた
一秒でも早く
彼の前から姿を消す
彼を想うならそれが最大の礼儀だと思ったから
「今まで…」
思い返していく
過ごした日々をなぞる
お腹を手で押さえる
これは…言わない
私という害悪がいなくなれば
彼はきっと会社を立て直すだろう
ううんむしろそれを願う
「…いいや
もう使用人はおしまい
ありがとう、本当に
謝って許されるわけないけど
ごめんなさい
…さよなら」
ばいばい…
それは初めて聞く、双葉の内なる声と叫びだった
その決断を下すまでに様々な感情と苦悩が入り混じる
「…去れ」
「え?」
「僕はキミが許せない
けれどこれだけは言っておく
…双葉、キミを
何よりも大事に想っていた
それだけは本当に本当だ
だから何もする気はない
僕の前から失せろ」
なぜ、と思う
双葉は顔を見上げる
だってそれは
無罪放免だ
「出ていけ
忘れろ、僕も忘れる
消えてくれ、頼むから」
くしゃくしゃに
堪えるように顔を歪ませる
私は慌ただしく荷物をまとめた
一秒でも早く
彼の前から姿を消す
彼を想うならそれが最大の礼儀だと思ったから
「今まで…」
思い返していく
過ごした日々をなぞる
お腹を手で押さえる
これは…言わない
私という害悪がいなくなれば
彼はきっと会社を立て直すだろう
ううんむしろそれを願う
「…いいや
もう使用人はおしまい
ありがとう、本当に
謝って許されるわけないけど
ごめんなさい
…さよなら」
ばいばい…