テキストサイズ

ふしだらと言わないで

第6章 慰み者の娘 3

 娘、美姫は
 とある少女の捜索に力を入れる父の姿を見ていた



「探せ
草の根をかき分けてでもだ」



 情報によれば
 双葉は行方知れず

 人を使い、命令したあとで椅子に座る父に疲労が見える



「なぜ帰ってこなかった…」



 美姫には理解できない

 トカゲの尻尾を切るように不要物になった女を切り捨てる、利益しか興味ない父が疲れている

 美姫はイライラした
 あんたが双葉を手元に置いときゃこんなことにはならなかったんだよ

 立場は違ったが
 美姫と双葉は友達であった
 友達と切り離された美姫の気持ちは言うに及ばない

 一言を言おうかと思ったが、そんな気分じゃなかったので自室に戻る



 パタン
 と部屋の扉を閉じる
 ため息をついた



 その時携帯が鳴った
 番号は非通知になっていた



「はい」
『美姫様?双葉です』

ストーリーメニュー

TOPTOPへ