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ふしだらと言わないで

第4章 慰み者の娘

 小学校も途中でやめた
 私は生きるために自分の住む家でとにかく働いた

 掃除、洗濯、買い物
 買い物以外では日の当たらない生活だったがちゃんとやれば一日一回は食事にありつけた

 テレビの前でお酒とツマミを口にする父をよそに、私は水道水をがぶがぶと飲んで飢えを凌ぎ、ママの作る一杯のご飯を待った

 目障りだと言われた
 仕事以外では押し入れにいた

 暗くて狭いが、安心した
 ここには私しかいなかった

 座って寝るのが得意だった



 何度も夢を見る
 ママは今、疲れてるだけだ
 私が支えないといけない

 もうずっと見てないが
 ママの笑った顔が大好きだった

 それだけでよかった
 ご飯もお洋服もいらない

 ママが私に向かって笑う
 それだけが私の夢だった―…

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