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ふしだらと言わないで

第5章 慰み者の娘 2

 どうしていいかわからなかった
 ここにいていいのかさえ
 わからなくなった

 いらない子供なのか

 泣いたら殴られる
 大人は泣き声をひどく嫌う
 だから私は笑った

 ママに笑ってほしくて…



 いきなり角から人が現れた



「あっ……きゃあぁぁ!!」



 雑巾がけしていた私は突然すぎて避けられなかった

 かなりスピードのまま
 私の頭が脛を叩く
 骨とぶつかる鈍い音がする



 こんな時間に人がいるとは思わなかったとはいえ無礼をしでかしたことに変わりはない

 青くなって見上げた



「精が出るな双葉…おはよう」
「おじさっ…旦那さま///
も、申し訳ございませんっ」



 天涯孤独、無一文、帰る家のない私を救ってくれたおじ様だった

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