
時を止めて
第2章 幸せなオムライス
食卓につくと、オムライスとスープが用意されていた。
「おお!!朝から、すごいね~。」
美味しそうな匂いを胸いっぱいに吸い込む。
食べるのが勿体無いくらいだ。
『いいから、早く食べて?』
「おう、いっただきま~す♪」
『召し上がれ。』
「なぁ?ちゃんみな?」
『はい?』
「俺のこと、好き?」
『ブッ!!!』
チャンミンはいきなりの質問にオムライスを噴出した。
『なんですか?ヒョン!!』
「だって、お前、絶対に言わないんだもんな?」
『誰が軽々しくそんなこと言いますか!!馬鹿馬鹿しい!!』
「言って欲しい時だってあるだろ?」
『・・・。』
「それに、言わなきゃ分からない時もある。」
『・・・。』
「この際、はっきり言って?」
『・・・ヒョン、そのオムライス、食べ終えたらきちんと片付けておいて下さい。じゃっ!!』
「おん?」
『僕は、ちょっと走ってきますから。』
チャンミンは、そう言うと物凄い勢いでオムライスを食べ終えると、焦った様子で部屋を出て行ってしまった。
「はぁ・・・ちゃんみな。ヒョンは寂しいよ?」
ユノは寂しい気持ちで、オムライスに口を運ぶことにした。
ガリッ。
うぇっと、その固い感触に、思わず、口から出してしまった。
・・・うそ、生煮え?・・・
「「!?」」
オムライスの中から、たくさんの人参が出て来る。
しかもその形は・・・。
ハートマークwwww
はっとして、ユノは先ほどのチャンミンの焦った様子を思い出した。
・・・くくくくっ(笑)素直じゃないねぇ、僕のちゃんみんは!!・・・・
しばらく、笑いが止まらなかった。
チャンミンが帰ってきたら、飛び切りの笑顔で言おう。
「とびきり美味しかったよ~♪」って。
本当は、生の人参が固くて、微妙な味付けだけど。
俺の事を、こんな気持ちにさせてくれた。
温かくて、幸せなオムライス。
俺は、この味を一生忘れないと思うよ、ちゃんみん。
【幸せなオムライス・完】
