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FREE BIRD

第33章 それぞれの罪悪感

「ママは?」


「友達と電話中」


「そうか」


リビングに入ると、


『帰ってきちゃった。うんまたねー』


と雪は慌てて電話を切った。


「ただいま、健太ホームラン打ったんだって?」


「そうなのよ!今ミツに電話で自慢してたの」


ミツとは高校の頃からの雪の親友だ。


「親バカ丸出しだな」


「いいの!ミツだから!」


そう言ってキッチンに入って行った。


僕は着替える為に部屋に入り、パタンとドアを閉めた。


「はあ~」


一気にへんな緊張感がほぐれた。


健太のホームランのお陰だな。

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