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FREE BIRD

第53章 雪の嘘

「好奇心だったの。

私、誠が初めてだったから一度くらい違う人としてみたかったはの。

若かったのよね。

知識も何も無くて…

妊娠した時は誠の子って思ってた。

本当よ!

でも、血液型が分かった時驚いたわ。

驚いて、信じたくなくて、三回も調べたよ。


でも、何度調べても、健太はAB型だった」



「何で直ぐに言わなかったんだよ」


「言える訳ないじゃない!

健太は浮気相手の子供でしたなんてっ!」


雪は開き直ったのか、かなりハッキリした口調で言い放った。



暫く沈黙が続いた。


僕は…雪を責める事は出来ない。


そんな立場じゃないし、今はなにより健太の事だ。


たとえ、血は繋がってなくても、さっきまで我が子と疑った事のない最愛の息子なのだから。






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