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FREE BIRD

第66章 友達

「ごめんなさいっ…」


落ちて割れてしまった商品を慌てて拾う。


「美穂、顔色悪いわよ、具合悪いの?」


「ごめん、なんでもない…ちょっとバランス崩しただけ…ごめんなさい…ごめんなさっ…うっ…」


割れたガラスの破片が指に刺さり、痛くて泣けた。


いえ、痛いのは指じゃない。


心が痛くて痛くて泣いていた。


もう届かない私の想い。


もう触れる事のない誠さん。


私は崩れるように泣いた。


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