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FREE BIRD

第68章 妻として

「でもさ、美穂はまだまだイケるから素敵な人見つけなよねっ」


「えー、いいよ。結婚はもういい」


知世は大きなお腹を突き出しながらダスター片手にツカツカ私に詰め寄った。


「バカね、結婚しろとは言ってない。恋をしろって事」


「恋ねえ~」


「恋はいいわよ、やっぱりときめきがあるわ。美穂あの爽やかクンと付き合ってる時輝いてたもの…」


「爽やかクンか、ふふ…懐かしいわ」


私は一度だけこの店にきた誠さんを思い出した。


あんな風に愛してくれる人なんてそんなに容易く見つからない。


あんな風に愛する事ができる人なんてもう出会わないだろう。


結婚を考えるほどの相手なんていやしないわ。




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