身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】 祭りの夜
「済まなかった。また、そなたを長く待たせることになってしまったな」
明姫は笑顔で首を振った。
「こうして殿下のお顔を見るだけで、待つ時間の長さも忘れられますゆえ」
「そなたはいつも可愛いことを言う。あまり可愛いことばかり申していると、このまま抱き上げて房に連れてゆくかもしれないぞ?」
ユンは笑い、明姫の手を握った。二人は手を繋いで、ゆっくりと広い境内をそぞろ歩く。あちこちに村人の姿がちらほらと見られる。慈鎮や他の僧が出て、親身になって村人たちの願いを聞き代筆している光景が見られた。
「今日はお一人で?」
「いや、爺やももう歳だ。あまりに心配をかけて倒れられたりしたら困るゆえ、黄維俊を伴に連れてきた。黄内官は洪女官の案内で、厨房の方に行ったが」
明姫は笑顔で首を振った。
「こうして殿下のお顔を見るだけで、待つ時間の長さも忘れられますゆえ」
「そなたはいつも可愛いことを言う。あまり可愛いことばかり申していると、このまま抱き上げて房に連れてゆくかもしれないぞ?」
ユンは笑い、明姫の手を握った。二人は手を繋いで、ゆっくりと広い境内をそぞろ歩く。あちこちに村人の姿がちらほらと見られる。慈鎮や他の僧が出て、親身になって村人たちの願いを聞き代筆している光景が見られた。
「今日はお一人で?」
「いや、爺やももう歳だ。あまりに心配をかけて倒れられたりしたら困るゆえ、黄維俊を伴に連れてきた。黄内官は洪女官の案内で、厨房の方に行ったが」