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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】  祭りの夜

 言葉の割には、声には彼特有の揶揄するような響きが滲んでいる。これ以上、謝ったり深刻になりすぎない方が良い。幼くして後宮女官となった明姫は他人の顔色を見ることに長けている。
 ユンが深刻になることを避けているのなら、これ以上拘り続けるのは止めた方が賢明だ。
 明姫は明るい声音で応えた。
「眉目秀麗って、普通、ご自分で仰せになりますか?」
 これには心底呆れ果てるが、確かに傍に立つユンは、すっきりとした鼻筋といい、切れ長の奥二重の瞳といい見惚れるような美男に違いない。

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