テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】  祭りの夜

「任せて」
 安心させるようににっこりと頷くと、ソリもまた白い歯を見せた。
 小さな後ろ姿が中年夫婦たちと消えてゆくのを黙ってユンと見送る。
「明姫」
 ソリの姿が見えなくなってから、ユンがしんみりとした声音で言った。
「はい」
 明姫は黙って言葉の続きを待つ。
「亡くなった王女が生きていれば、あの年頃だ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ