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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】  祭りの夜

「最後に訊く。名前を言うのだ」
 明姫は涙を滲ませた瞳で首を振った。
 ユンが息を呑んだ。流石に極限状態まで追い込まれてなお、明姫が拒絶すると思いもしなかったのだろう。
 ユンは激情の色をその綺麗な顔に上らせていた。美しい男だけに、髪が乱れ壮絶な色香を滲ませたその様は、こんなときでも見惚れるほどに凄艶だ。
「良かろう。それほどまでに庇い立ている男のために、堪えるが良い」
 次の瞬間、明姫は何が起きたのか判らなかった。蜜壺の中に入り込んだユンの指が例の感じる箇所をグッとすりあげた。既に何度とない刺激で蜜壺の中はかつてないほど敏感になっている。

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