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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】  祭りの夜

 いつもなら仮眠中の内官を起こすときは、〝済まぬ〟と気遣いのひとことを忘れない方なのだが、今夜はそれすらも忘れるほど王は取り乱しているようだ。
 王はますます馬脚を速める。黄内官も遅れじと今は余計なことを考えず、王の護衛をまっとうすることだけに集中した。 

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