身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第15章 第三話 【観玉寺の廃妃】 再生
「私、実は崔尚宮さまに鞭で打たれたことがあるんですよ。女官見習いとして入宮したばかりの頃、お八つ欲しさに生菓房に忍び込んで、大妃さまにお出しするお菓子を失敬したのがバレてしまいまして」
「ふふっ、それは災難だったわね。私が崔尚宮さまに鞭打たれたのは一度や二度ではないわ。伽耶琴(カヤグム)の出来が悪い、歴史書の憶え方が遅いといって、そりゃあもう何度叱られたことか知れないの」
明姫の口調も女官時代に戻っている。崔尚宮は今頃、宮殿で盛大なくしゃみをしていることだろう。そう思うと、また笑いが込み上げてくる。
「ふふっ、それは災難だったわね。私が崔尚宮さまに鞭打たれたのは一度や二度ではないわ。伽耶琴(カヤグム)の出来が悪い、歴史書の憶え方が遅いといって、そりゃあもう何度叱られたことか知れないの」
明姫の口調も女官時代に戻っている。崔尚宮は今頃、宮殿で盛大なくしゃみをしていることだろう。そう思うと、また笑いが込み上げてくる。