テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第15章 第三話 【観玉寺の廃妃】  再生

「はい、月のものがあったのは、いつ頃か憶えておいででしょうか」
 茫洋とした頭に漸くその言葉の意味が認識され、明姫は頬を熱くした。
「一月の終わり頃だったと思うけど、それがどうかしたの?」
「失礼ですが、その後は一度も月のものは来ていないのですか?」
 ヒャンダンの表情はあまりにも真剣で、怖いほどだ。
「ええ。それが最後よ」
 ヒャンダンは明姫の言葉も耳に入らないようで、しきりに考え込んでいる。
「私が知っている限り、淑媛さまは毎月、月のものはきちんと来ておいででしたよね?」
「え? そういえば、そうね。私、そんなこと、気にしたことがなかったから」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ