身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第15章 第三話 【観玉寺の廃妃】 再生
仁誠王后と王妃(今の大妃)は最初から折り合いが思わしくなかった。王妃は嫁でありながら、姑にして後宮の長老である仁誠王后を軽んじていた節があった。仁誠王后が下級両班の出にすぎず、元は女官であったことに拘っていたのだ。
一方、王妃は名門ペク氏の息女として生まれ、生まれたときから将来は王妃になるべく育てられた女性だ。確かに出自に関しては天と地ほどの差があった。
だが、仁誠王后の徳は高く、後宮の女官たちはむろん国中の民が慈悲深く思慮深い王后の人柄を慕った。王妃には、それが余計に面白くなかったようだ。この姑と嫁は表立って対立することはなかったものの、不和は王后が崩御するまで続いた。
一方、王妃は名門ペク氏の息女として生まれ、生まれたときから将来は王妃になるべく育てられた女性だ。確かに出自に関しては天と地ほどの差があった。
だが、仁誠王后の徳は高く、後宮の女官たちはむろん国中の民が慈悲深く思慮深い王后の人柄を慕った。王妃には、それが余計に面白くなかったようだ。この姑と嫁は表立って対立することはなかったものの、不和は王后が崩御するまで続いた。