身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第2章 第一話 【桜草】 戸惑いと、ときめきと
やはり、と、明姫は納得した。最初に感じたように、ソンドンは既に亡くなっているのだ。ソンドンには申し訳ないが、彼の死を知って落胆しているのは、きっと、ソギョンのせいだ。ソンドンがいなければ、ソギョンがユンにどのような気持ちを抱こうと自由なのだから。
人ひとりの死に対して、そのような感じ方しかできない自分に、明姫は嫌悪感を憶える。
誰かを好きになり恋することは、こんなものなのだろうか。その男を手に入れるために、醜い嫉妬に胸を焦がしたり―。
つまりは、かつての親友の遺族に対して、ユンは彼等を放っておけなくて度々、訪ねては世話を焼いているのだろう。そのことで、ユンという男の見かけどおりの優しさ、誠実さが判る。
人ひとりの死に対して、そのような感じ方しかできない自分に、明姫は嫌悪感を憶える。
誰かを好きになり恋することは、こんなものなのだろうか。その男を手に入れるために、醜い嫉妬に胸を焦がしたり―。
つまりは、かつての親友の遺族に対して、ユンは彼等を放っておけなくて度々、訪ねては世話を焼いているのだろう。そのことで、ユンという男の見かけどおりの優しさ、誠実さが判る。