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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第16章 第四話 【永遠の少女】 愛しき者

 しかも、死骸は掛け布団の下に巧妙に隠してあった。あれでは、王と和嬪が夜を過ごすために床入りした時点でなければ、気づかない。つまり、そうなるように誰かが仕掛けたのだ。 
 ヒャンダンが気づいたから良かったようなものの、見過ごしていたら、流石の明姫もユンの腕の中で甘く蕩けるどころではなく、その前に悲鳴を上げていたことだろう。
 明姫はなおも無言であったが、ややあって、小さく息を吐いた。
「ヒャンダンは誰かがわざと仕向けたことだと言いたいのね」
「私でなくとも、この状況であれば、誰もがそう思うことでしょう」
 ヒャンダンはきっぱりと言う。明姫は哀しげに微笑み、首を振った。

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