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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第16章 第四話 【永遠の少女】 愛しき者

「承知しました」
 ヒャンダンも馬鹿ではない。明姫の言い分はもっともだとすぐに理解したはずだ。この忠実な女官の懸念はもっと別のところにあるはずだと、明姫もまたヒャンダンの心を正しく見抜いていた。
 その明姫の想いに応えるように、ヒャンダンは憂い顔で告げる。
「和嬪さま、私は不安でなりません」
「あなたが私のことをいつも自分の身より心配してくれているのは十分判っているつもりよ」
 明姫はまたいつもの口調に戻って微笑む。それでもまだ深刻な面持ちのヒャンダンに対して、明姫は優しく問うた。
「一体、何がそんなに不安だというの?」 

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