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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第16章 第四話 【永遠の少女】 愛しき者

「私だって子どもじゃないわ。自分の身が危険に陥りそうになったら、ちゃんと逃げるし対処できるから」
 明姫が安心させるように明るく微笑むのに、ヒャンダンは洟を啜った。
「ヒャンダンってば、子どもみたいね」
 明姫は袖から手巾を取り出し、ヒャンダンの涙を拭いてやる。
「勿体ない」
 ヒャンダンはまた泣いている。ウンを可愛がっていたのは王妃だけではない、ヒャンダンもまたウンが世子ながら、甥のように愛情をもって接していた一人だった。ヒャンダンはいつも明姫の側に控えているから、自然とウンをヒャンダンが抱っこする機会も多かった。

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