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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第16章 第四話 【永遠の少女】 愛しき者

 東宮殿からは離れた殿舎に住んでいる明姫は、一日に何度か足を運び、我が子を抱くしかない。もちろん、乳母がウンをこちらに連れてくることもあるが、明姫が東宮殿を訪ねる方が多かった。
 だから、居室で一人、ウンの初めての誕生日のための服を縫いながら、我が子の行く先に幸多かれと祈った。
 その我が子がまさか一歳の誕生日を迎えることもなく逝ってしまうとは。
 ウン、私のウン。どうして、お母さまを置いて、一人だけで遠いところに行ってしまったの?

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