テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第16章 第四話 【永遠の少女】 愛しき者

 ウンが亡くなったその晩、ヒャンダンは東宮殿の外でずっと泣きっ放しであった。どうやら、ウンが亡くなってからのヒャンダンは泣き上戸になってしまったらしい。
「私は幸せ者ね。ヒャンダンみたいなお友達がいつも側にいてくれて」
 その言葉が余計にヒャンダンの涙腺を刺激してしまったようである。涙を零し続けるヒャンダンを引き寄せ、明姫はそっとその身体を抱きしめた。
 確かに自分は甘いのかもしれない。ウンが生まれたこともあり、流石に大妃(テービ)も表立って明姫に攻撃を仕掛けてくることはなくなった。冷徹な大妃も初孫は別であったらしい。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ