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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第16章 第四話 【永遠の少女】 愛しき者

 その後、明姫は更に淑儀から側室としては最高位の嬪へと昇格、彼女のあげた第一王子ウンこと恭誠君は世子に立てられた。そのまま平穏に時が過ぎれば、明姫は世子の生母、次代の国王の母として、その立場は揺るぎない絶大なものとなったろう。
 しかし、天は王に愛される幸運な女人を妬むがごとく、愛盛りのウンを天へと呼び戻した。
 一年前、明姫の懐妊を知った当初の大妃の怒りは並ではなかった。
―何と嘆かわしい。主上は邪悪な女の色香に血迷われてしまわれたか。
 一時は打撃のために、昏倒したほどであった。

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