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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第17章 第四話 【永遠の少女】 波乱

 五年前の温嬪と違い、明姫出産は殊の外安産だった。陣痛らしいものが来て数時間でウンは産声を上げた。それでも、第一王女のときのことがあったので、宮廷医の他にも名医と呼ばれる産科医が集められ、産気づいてからは、彼らが皆、明姫の産殿に詰めていた。
 しかし、彼らの手を煩わせるまでもなく、明姫は数回息んだだけで、すんなりとウンを産み落とした。
―王子ご誕生、元子さまのご誕生にございます。
 出産に立ち会った崔尚宮が興奮した面持ちで産殿前に集まっていた人々に叫び、すぐに大殿のユンの許にも知らせが行った。

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