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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第18章 第四話 【永遠の少女】 謀(はかりごと)  

 ヒャンダンが黙したまま石榴茶を飲み終えたときを見計らい、明姫はおもむろに口を開いた。
「私は殿下のお側を離れるつもりはない」
「和嬪さま!」
 ヒャンダンは悲鳴のような声を上げ、慌てて口を押さえた。
 やはり、何かがある。この時、明姫は実感した。小花の不審な死に方といい、ユンとヒャンダンの申し合わせたようなこの話といい、あまりにも不自然だし、できすぎている。
 先刻、訪れたばかりのユンもいやに熱心に別邸での出産を勧めてきたが、もとより、明姫は丁重に辞退した。そのときはまだ、何故、彼がそこまで宮殿の外での出産に拘るのか理解できなかった。

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