身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第19章 第四話 【永遠の少女】 嫉妬
「今になって何故、和嬪が素性を偽っていると判ったのです?」
領議政はニヤリと笑った。外見の剽軽そうな雰囲気はガラリと変わり、打って変わって冷徹な独裁者の素顔が覗いている。己れの野望を遂げるためには、たとえ何ものであろうが犠牲にすることも厭わないという―。
何故かその時、我が兄ながら、大妃はゾワリと背筋が粟立った。崔尚宮に対して感じていた先刻までの口惜しさも途端に萎えた。
「このまま和嬪に御子を生ませるわけにはゆかない。それは大妃さまもよくよくご存じのはずです。それゆえ、私も漸く和嬪追い落としに本気でかからねばならぬと思い立ち、手始めにまず和嬪の身許を調べたのです。そうしたら、どんぴしゃりで怪しい点が見つかりましてね。そこから、女狐の素性が露見したというわけですよ」
領議政はニヤリと笑った。外見の剽軽そうな雰囲気はガラリと変わり、打って変わって冷徹な独裁者の素顔が覗いている。己れの野望を遂げるためには、たとえ何ものであろうが犠牲にすることも厭わないという―。
何故かその時、我が兄ながら、大妃はゾワリと背筋が粟立った。崔尚宮に対して感じていた先刻までの口惜しさも途端に萎えた。
「このまま和嬪に御子を生ませるわけにはゆかない。それは大妃さまもよくよくご存じのはずです。それゆえ、私も漸く和嬪追い落としに本気でかからねばならぬと思い立ち、手始めにまず和嬪の身許を調べたのです。そうしたら、どんぴしゃりで怪しい点が見つかりましてね。そこから、女狐の素性が露見したというわけですよ」