身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第19章 第四話 【永遠の少女】 嫉妬
大妃が口をつぐんだので、領議政はここぞとばかりにまくしたてる。
「百歩譲って、今は和嬪が大人しくしているとしても、この先、どう出てくるかは判らない。最も怖ろしいのは、仮に和嬪がまたしても王子を生み奉り、その御子が将来、王位を継いだときのことです。むろん、そのときの大妃は中殿さまがいらっしゃいますが、事実上の実力者は中殿さまではなく、王の母たる和嬪になるでしょう。それは間違いない。その時、和嬪が我が子である王を動かせば、我々はひとたまりもないのです」
大妃が依然として無言のままなのを見て、領議政はこれ見よがしの溜息をついた。
「どうか現状をよくよくご覧になり、懸命なご判断を下されますことをお願い致します」
そう言い置いて、兄は早々に座布団を蹴立てるように立っていった。
「百歩譲って、今は和嬪が大人しくしているとしても、この先、どう出てくるかは判らない。最も怖ろしいのは、仮に和嬪がまたしても王子を生み奉り、その御子が将来、王位を継いだときのことです。むろん、そのときの大妃は中殿さまがいらっしゃいますが、事実上の実力者は中殿さまではなく、王の母たる和嬪になるでしょう。それは間違いない。その時、和嬪が我が子である王を動かせば、我々はひとたまりもないのです」
大妃が依然として無言のままなのを見て、領議政はこれ見よがしの溜息をついた。
「どうか現状をよくよくご覧になり、懸命なご判断を下されますことをお願い致します」
そう言い置いて、兄は早々に座布団を蹴立てるように立っていった。