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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第19章 第四話 【永遠の少女】 嫉妬   

 賢嬪の一行は総勢十数人を数える大集団であった。付き従う女官たちはいずれも年若く美しい者たちばかりだ。
 国王の寵をどうしても得られないと悟った後、賢嬪は若く見目麗しい女官たちを集め始めた。自分が王の関心を引けないのなら、せめて側に王の食指が動きそうな娘を置いて、王の脚を自分の殿舎に向けさせようという作戦である。賢嬪の意図はあまりにもあからさますぎて、後宮中の女たちの失笑を買うことになった。
 しかし、側室でも正室でも、良人の愛をつなぎ止めておくことができなければ、自分に仕える女官や侍女を良人に勧めて、せめて自分の立場を守るのは常套手段ではある。その方が他の競争相手である側室が寵愛されるよりはよほど分が良いからだ。

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