テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第19章 第四話 【永遠の少女】 嫉妬   

 ヒャンダンは明姫がそのまま引き下がるのかと思っていたのだが、明姫は何を思ったか、一歩進み出た。小柄ながら、その存在感は周囲を圧倒するほどのものがあった。その勢いに気圧されたかのように、賢嬪が一歩下がる。
「賢嬪さま、先日、私の飼い犬が亡くなりました。亡くなる前日まで嘘のように元気であったのが、急に具合が悪くなり死んだのです。賢嬪さまの御許では犬や猫は飼っておられませんか? もし飼っておいでなら、十分用心なされませ」
 その瞬間、賢嬪の白皙がさっと蒼褪めたのを明姫もヒャンダンも見逃さなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ