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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第19章 第四話 【永遠の少女】 嫉妬   

 賢嬪はフとあざとい笑いを洩らした。
「ここまで私が教えて差し上げなければ判らないとは、どこまでも鈍くていらっしゃる。たとえ、あなたが何をしたわけでなくとも、あなたの存在そのものが皆の憎しみを呼ぶのですよ」
 賢嬪は憎々しげに言い放つと、チマの裾を翻し女官一同を率いて悠々と去っていった。去り際、最後列にいた女官の一人が振り返り、クスリと勝ち誇った笑みを浮かべているのも、もう気にはならなかった。
「和嬪さま」
 茫然と立ち尽くしていると、ヒャンダンが気遣わしげに近寄ってきた。

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